フィラリアの気になる症状について分かりやすく解説!
2019年09月26日愛犬がフィラリアに感染すると慢性犬糸状虫症や大静脈症候群を発します。いずれも心臓の動きを低下させたり、血液循環を阻害することで生じる症状であり、放置すると命に関わるため動物病院で診察を受けなければなりません。ここではフィラリアが引き起こす症状について説明します。
慢性犬糸状虫症になると散歩や運動を嫌がる素振りを見せるようになります。また飼い主を見たり、散歩を予想して興奮したときに咳を発する、早朝に乾いた咳をすることも多く見られます。この他にも頻繁に咳をすることで血を吐くかっ血、呼吸困難や腹部が膨らむ腹水、体が浮腫むネフローゼ症候群などがあらわれます。
大静脈症候群になると尿に血液が交じる場合があります。通常は黄色や透明に近いですが、赤血球による赤色が増します。また貧血でふらついたり、足取りがおぼつかない、すぐにへたったり、呼吸困難などの症状があらわれます。
このような症状は、フィラリアが原因になっておこります。フィラリアが寄生すると幼虫が血管を移動しはじめ、心臓の右心室にある肺動脈に到達し成虫になります。心臓の右心室は肺に血液を送りますが、フィラリアの成虫の数が増えるほどに血液の流れが悪くなり、呼吸困難な状態を引き起こします。この状態が悪化すると運動耐性の低下へとつながり、咳や呼吸困難、食欲不振や体重減少、すぐにへたるようになります。また失明やけいれんがおこり、最終的に突然死に至ることも珍しくありません。
特に運動耐性の低下に注意します。いつものように散歩をしようとしたら数メートルで立ち止まって動かなくなることがあります。僅かな移動距離であるにも関わらず、ハァハァと息切れするような荒い呼吸になり、手で心臓付近に触れると心拍数が極度に上昇していてドクドクと脈うちます。いつもの散歩であり、大した距離を移動してすらもいないのに突然ヘタったり動かなくなる、リードを引っ張っても動きたがらない、呼吸が極めて荒い場合はフィラリアを疑うべきです。
愛犬の様子に異変を感じたときは可能なかぎり早く、動物病院を訪れていきましょう。取り上げたような症状を発している場合は、愛犬の心臓右心室に相当数のフィラリアの成虫が寄生しており、活動している恐れが高いです。フィラリアは治療薬を服用したり、獣医師に施術してもらわなければ治せません。愛犬が散歩をしたがらない、急に痩せた、僅かな運動や数メートル程度の散歩で息切れをする場合は、深刻な症状が背景にあると考え動物病院に相談しましょう。